導入企業インタビュー
学びたいことやチャレンジしたいことは自分から機会をつくるのが当たり前 ── 社員一人ひとりが目指すべきキャリアに向かって学び続ける教育環境をつくる
鹿島建設株式会社 様
鹿島建設株式会社
奥原 元 様
星野 大樹 様
宮島 宏斗 様
昨今の働き方改革や、めまぐるしい社会環境の変化の中、これまで年次単位でおこなってきた画一的テーマ・一斉開催の集合研修から、社員一人ひとりが必要なテーマを適切な時期に受講できる自律参加型の教育制度へと改定されました。
変革に舵を切った鹿島建設様の教育制度とは? 新制度導入の背景や社員への学習促進について、人事部 教育グループの奥原様、星野様、宮島様にお話を伺います。
必然的に変化を迫られた状況をチャンスに。
理想である「社員が主体的に学ぶ組織」を目指して、教育制度をリデザイン!
財務分析や論理的思考法などが定番コンテンツとして、貴社から長くご支援いただいており、長期的かつ親密な関係を築けていると思っています。
「具体的にあの講師の方でこういう研修をやりたい」などのわがままにも、柔軟に対応いただけております。他社さんでは、研修が商品化されていてアレンジが難しいこともあるので、非常に助かっています。
36協定の時間外労働規制が、建設業においても2024年4月から厳格化されることとなりました。当社では出張して研修を受けなければいけない社員もいたため、これまで以上に就業時間内に行う研修のやり方を変えなくてはならない状況でした。さらにコロナ禍に直面し、対面の集合研修の実施も難しい状況となり、改定への動きが加速しました。
新制度は社員にとって、学びのタイミングやテーマ選定において自由度が高まりました。学びの形式も集合研修や個人学習にオンラインが導入され、結果としてより学びやすい形となったのではないでしょうか。
新制度は「自律的な学び」がコンセプトです。
「この年次までにこの知識・スキルを身に付けてほしい」という点はこれまでと変わっていませんが、「学びの機会は常に与えられるものという前提を変え、勉強したいことやチャレンジしたいことは自分から機会を作るのが当たり前」ということを、会社として社員に浸透させたかったんです。
コロナになる前までは、年次単位で年間3~5間日の集合研修を対面で実施していましたが、今では知識をインプットしスキルを身につけることは、オンラインで問題なくできます。さらにこれまでは研修のために海外から日本に帰ってくる社員もいたので、費用や時間の負担の部分でも軽減されていると思います。
一方で、何年かに1回ぐらいは対面で社員同士が共に学ぶ機会があるのも重要だと思っていますので、今回の改定はうまく設計できたと思います。
今変えなければという危機感、制度浸透への覚悟。
これまで必要な学びは与えられることが普通だと思っている社員が多かったのでは、と思っています。
厳しいスタートでした。社員が自分で日程・テーマを選ぶということに対して習慣がついておらず、全く不慣れな状態という印象です。
去年1年は制度周知のため、集合研修の場で改定内容を対面で説明し、発信した事務連絡がわかりにくければ直接再度メールでアナウンスするなど、力を入れて取り組みました。徐々に社員の理解を得ることができたと実感しています。
最初苦戦したのは、新制度とシステム融合の部分でした。スタート時に使用していた当社の予約システムはとても分かりにくいものでした。社員もこれまで自分で研修テーマを選択して申し込みをする習慣が無かったこともあり、負担に感じる部分が大きかったと感じています。
そこで、当社のシステム運用を止めてビジネスマスターズを導入し、申し込みから研修管理まで一括で行えるようにしました。社員にとって桁違いに分かりやすくなったと思います。
研修受講の際も、ビジネスマスターズにログインすれば、「今日あなたは何時から研修があります」というリマインドが出ますし、当日使用する資料や、オンライン研修の場合のURLなどがすべて揃っています。メールで情報を探したりせずに済みます。
今は、人事側での研修管理の手間はあまりかかっておらず、本来の企画の部分に力を使えています。以前はアンケート項目一つ作るのも大変な状態だったのですが、今ではビジネスマスターズの機能で運用できているので助かっています。
ただ社員の研修申し込みに関しては、まだビジネスマスターズでリマインドが届いた時に「そういえばまだ申し込んでなかったな」と気づいて申し込む…まだ消極的な自律という感じを受けていますね。人事側で社員の研修受講状況を確認し、本人に「まだ受けてないね」「ちゃんと見ていますよ」などを伝えています。
こういった新しい制度を浸透させるということは、最初は力をかけることになったとしても、やらなかったら置いていかれる一方になってしまうので、無理してでも力を入れる部分だと思っています。
「自分の意思でいつでも好きな事を学べる環境」を提供。
キャリア面談で自ら進んで学ぶことの必要性を示す。
現状各社員の自律性に依存したやり方だけでは、この制度は続けられない段階ですね。学びの必要性を喚起していくことは必要だと思っています。
その1つとして、人事部では社員とのキャリア面談を行っています。
各年次×約40人位の社員一人ひとりと行います。
自律学習の履歴はキャリア希望への一つの指標になると思っています。
面談でキャリアの希望を聞く際に、たとえば財務系希望の社員が、ビジネスマスターズで会計・ファイナンスの研修動画を学習していると納得感があります。
社員はビジネスマスターズ搭載の研修動画で、好きな時にどんなテーマでも学ぶことができますので、キャリアへの学び・自分の弱点強化・興味のある分野への知識インプットなどに積極的に活用いただきたいと思っています。
ビジネスマスターズの動画コンテンツはテーマが充実していますし、まったく予備知識がない分野への学びの入り口として評判が良いです。
業務で必要なP/L、B/Sの読み方をマニュアルのように活用して調べているとの声もあります。自分が既に馴染みがある分野で「これはどうだったっけ」と動画で確認する社員も多いようです。
やはり自分にとって必要な知識は、自分から身につけてほしいなと思います。
今後さらに組織として自律的な学びを促進させるには?
その中で各研修テーマでは、事前課題・修了課題を通じた受講者の相互ディスカッションも、ビジネスマスターズ上で促進されています。
ビジネスマスターズ上で、自分のグループだけでなく他のグループがどんなディスカッションをしているかを見ることができます。
このような社員の相互の情報公開がもっとできたらと思っています。
例えば一緒に研修を受講している人がこれまで何の動画を学習してきたかなどを簡単に表示できると、「今度この動画見てみようかな」といった学びにつながるかもしれないですね。
他に良かった点としては、年次単位の研修を実施していた時は、先輩後輩が混ざって参加する機会があまりなかったのですが、今この体制になったからこそ生まれた新たな交流があると思います。前後の年次って実は知り合いがあまりいないので、同世代の人と業務の垣根を越えて知り合いになれる点は、かなり画期的でした。